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【第3回】この極限って何だろう?解答!!

皆さんこんばんは。はせです。






今日は昨日に公開した記事の解答を紹介していきたいと思います!
答えだけパパーって書くなら赤本とか、調べたりすれば出ると思うので、私たちはなるべく深く説明していきたいと思います!

 

 

 確認ですが、問題はこちらでしたね!

【問題】

\[\lim_{\theta\to 0}\frac{{\theta}^3}{\tan \theta -\sin \theta}\]

 

とりあえずテストに書くべき解答を書いていきます。

【解答】

\[\lim_{\theta\to 0}\frac{{\theta}^3}{\tan \theta -\sin \theta}\]

\[=\lim_{\theta\to 0}\frac{{\theta}^3}{\frac{\sin \theta}{\cos \theta}-\sin \theta}\]

\[=\lim_{\theta\to 0}\frac{{\theta}^3}{\sin \theta(\frac{1}{\cos \theta}-1)}\]

\[=\lim_{\theta\to 0}\frac{{\theta}^3}{\sin \theta (1-\cos \theta)}\cos \theta\]

\[=\lim_{\theta\to 0}\frac{\theta}{\sin \theta}\times \frac{{\theta}^2}{1-\cos \theta} \times \cos \theta\]

 ここで、

\[\lim_{\theta\to 0}\frac{\theta}{\sin \theta}=\lim_{\theta\to 0}\frac{1}{\frac{\sin \theta}{\theta}}=\frac{1}{1}=1\]

\[\lim_{\theta\to 0}\frac{{\theta}^2}{1-\cos \theta}=\lim_{\theta\to 0}\frac{1}{\frac{1-\cos \theta}{{\theta}^2}}=\frac{1}{\frac{1}{2}}=2\]

より、

\[\lim_{\theta\to 0}\frac{{\theta}^3}{\tan \theta -\sin \theta}=1\times2\times1=2\]

 

以上より答えは\(2\)となりました。


ここで終われば普通のサイトです。せっかくなので、

①\[\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1\]と、
②\[\lim_{x\to 0}\frac{1-\cos x}{x^2}=\frac{1}{2}\]の証明を、それなりに"厳密"にしていきましょう。

 

 

①の証明

単位円の\(y\)軸の正の部分を考えましょう。
それを関数に表すと\[x^2+y^2=1\]となりますね。これを\(x\)の関数にすると、条件より\[x=\sqrt{1-y^2}\]と書けます。

また、\(\alpha\)を\(-1\leq y\leq1\)に属するものとしましょう。\(y=\alpha\)の時の関数、つまり\[( \sqrt{1-{\alpha}^2} , \alpha )\]

の点\(B\)、\[( 1 , 0 )\]を点\(A\)と考えます。

 


これで準備は出来ました。

 

 

この時の弧\(AB\)の長さ\(L_{(\alpha)}\)は、

\[L_{(\alpha)}=\int_{0}^{\alpha}\sqrt{1+\left(\frac{dx}{dy}\right)^2}dy\]
ここで、\[\frac{dx}{dy}\]は、

\[\frac{dx}{dy}=\frac{d}{dy}\sqrt{1-y^2}=-\frac{1}{\sqrt{1-y^2}}\] となるので、
\[L_{(\alpha)}=\int_{0}^{\alpha}\frac{1}{\sqrt{1-y^2}}\]となります。

 

ここで、原点を\(O\)として、\(∠AOB\)を\(\theta\)ラジアンとすると、
\[L_{(\alpha)}=\int_{0}^{\alpha}\frac{1}{\sqrt{1-y^2}}=\theta\]

 \[L_{(\alpha)}=\theta\]

 

この時\[∠AOB=\theta\]とすると、\[\alpha=\sin \theta\](定義より)
のようになりますね。

今までの話を総動員で話します。
まず\[\theta=L_{(\alpha)}\]についてです。
これは、\(-1<\alpha<1\)で単調増加ですよね。(\(\theta\)はただただ増えていくだけです。)

つまり逆関数が存在します。つまりこういうことですよね。↓
\[\alpha=L^{-1}_{(\theta)}=\sin \theta\]
ここで少しの前の話より、\(\theta\)は単調増加な関数です。

 

つまり単調増加の連続関数であるので\(\theta=L_{(\alpha)}\)は微分可能です。

 

また、
\[\frac{d\theta}{d\alpha}=\frac{1}{\sqrt{1-{\alpha}^2}}>0\]
であるので、\(s=\sin \theta\)も微分可能であり、

\[\frac{d\alpha}{d\theta}=\sqrt{1-{\alpha}^2}  \Longleftrightarrow  \frac{d\sin\theta}{d\theta}=\sqrt{1-{\sin\theta}^2}=\cos\theta\]

となりますね。

 

 

\[(\sin x)'=\cos x\]がここで導けました。




また微分係数の定義から、

\[\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=\lim_{x\to 0}\frac{\sin (0+x)-\sin 0}{x}=\cos 0=1\]

 

 

 

これより\[\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1\]

が示せました。

 

 

②の証明

 \[\frac{1-\cos \theta}{x^2}=\frac{(1-\cos x)(1+\cos x)}{x^2(1+\cos x)}\]

\[=\frac{1-{\cos \theta}^2}{x^2(1+\cos x)}=\frac{{\sin x}^2}{x^2}\times \frac{1}{1+\cos x}\]

ここで、\(x\)を0に飛ばすと、

\[\lim_{x\to 0}\frac{1-\cos \theta}{x^2}=\lim_{x\to 0}\frac{{\sin x}^2}{x^2}\times \frac{1}{1+\cos x}=1\times\frac{1}{2}=\frac{1}{2}\]


以上より、\[\lim_{x\to 0}\frac{1-\cos x}{x^2}=\frac{1}{2}\]

が示せました。





いかがでしたでしょうか!
また来週もお楽しみに!

 

ではまた次回!