【高校数学03】三角関数の積分に使える置換!
みなさんこんにちは。
今回紹介する置換は、三角関数の積分問題なら必ず使える置換になっています!
知っといて損はありません!ぜひ見てください!
大学入試までならこれを用いれば解ける問題も相当多いと思います!
では行きましょう!
- 置換
\[\tan \frac{\theta}{2}=tの時、\]
\[\sin \theta=\frac{2t}{1+t^2} , \cos \theta=\frac{1-t^2}{1+t^2} , \tan \theta=\frac{2t}{1-t^2}\]
これを用いるとうまくいく積分があります!
証明を書いた後に例題で確かめてみましょう!
- 証明
\[\tan x=tと置く。まずは\sin 2x を求める。\]
\[\sin 2x=2\sin x\cos x=2\frac{\sin x}{\cos x}\cos^2 x\]
\[ここで\tan x=\frac{\sin x}{\cos x} , 1+\tan^2 x=\frac{1}{\cos^2 x}より、\]
\[\sin 2x=\frac{2\tan x}{1+\tan^2 x} これより、\]
\[\sin 2x=\frac{2t}{1+t^2}\]
となる。
\[次に\cos 2xを求める。\cos 2x=\cos^2 x-\sin^2 x=\cos^2 x(1-\frac{\sin^2x}{\cos^2x})\]
\[\cos2 x=\frac{1}{1+\tan^2 x}(1-\tan^2 x)=\frac{1-\tan^2x}{1+\tan^2x}\]
よって、
\[\cos2x=\frac{1-t^2}{1+t^2}\]
となる。
\[\tan 2x=\frac{\sin 2x}{\cos 2x}=\frac{2t}{1+t^2}\frac{1+t^2}{1-t^2}=\frac{2t}{1-t^2}\]
よって、
\[\tan 2x=\frac{2t}{1-t^2}\]
となる。
これより置換の式は示された。
- 例題
ここでこの置換を用いるとうまくいく積分を見てみましょう!
(積分定数はCとします。)
(1)\[\int \frac{1}{\sin x}dxの値を求めよ。\]
\[\tan \frac{x}{2}=tと置く。すると、dt=\frac{1}{2\cos^2\frac{x}{2}}dxとなる。\]
\[dt=\frac{1}{2\cos^2{\frac{x}{2}}}dx=\frac{1}{2}(1+\tan^2 \frac{x}{2})dx=\frac{1+t^2}{2}dx\]
\[つまり、 dx=\frac{2}{1+t^2}dt となります。\]
よって、
\[\int \frac{1}{\sin x}dx=\int \frac{1}{\frac{2t}{1+t^2}}\frac{2}{1+t^2}dt=\int \frac{1}{t}dt\]
\[=\log |t|+C=\log |\tan \frac{x}{2}|+C\]
よって、
\[\int \frac{1}{\sin x}dx=\log |\tan \frac{x}{2}|+C\]
となる。
(2)\[\int \frac{1}{\sin x+\cos x+1}dxを求めよ。\]
\[\tan \frac{x}{2}=tと置く。すると、dx=\frac{2}{1+t^2}dtとなります。\]
よって、
\[\int \frac{1}{\sin x+\cos x+1}dx=\int \frac{1}{\frac{2t}{1+t^2}+\frac{1-t^2}{1+t^2}+1}\frac{2}{1+t^2}dt\]
\[=\int \frac{1+t^2}{2t+2}\frac{2}{1+t^2}dt=\int \frac{1}{t+1}dt\]
\[=\log |t+1| +C=\log |\tan \frac{x}{2}+1|+C\]
よって、
\[\int \frac{1}{\sin x+\cos x+1}dx=\log |\tan \frac{x}{2}+1|+C\]
となる。
このようになります!
上記の問題はこのように解くと最終的に楽に計算することが出来ますね!自分でもこの置換を覚えておいて、使ってみてください!
ではまた次回!
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