【高校数学01】相反方程式の解法とは…?
みなさんこんにちは。
最近は紅葉が綺麗になってきましたね。コロナの影響であまり遠出は出来ませんが、ぜひ近くの植物を見て秋を感じてみてください。
今回はいつもの学類紹介や大学関連の記事とは経路を変えて、大学受験の数学について書きたいと思います。
今回は「相反方程式」についてまとめていきたいと思います。
これは知っとけば簡単に解ける!っていう感じなので、知っていて損はないはずです。
では見ていきましょう!
そもそも相反方程式とは?
そもそも相反方程式とはどのような方程式のことを指すのでしょうか。
いまから実際にいくつか記してみたいと思います。
\[x^2+x+1=0\]
\[2x^3+x^2+x+2=0\]
\[x^6+1=0\]
このように相反方程式とは、係数が左右対称になっている方程式のことを指します。
先ほど記した方程式で考えると、上から順に、
\[(1,1,1)\]
\[(2,1,1,2)\]
\[(1,0,0,0,0,0,1)\]
となっていて、確かに左右対称になっていますね。
解法
この方程式の特殊な解法を考えていきましょう。せっかくなので覚えておいてください。
この解法は最高次の係数が偶数か奇数かで考えます。
- 偶数の時(偶数を\(2n\)と表す)
偶数の時は簡単です。
- \(x=0\)が解でないことを確認してから、\(x^n\)で割る
- \[s=x+\frac{1}{x}\]を代入して、\(s\)が変数の方程式にする
- その解\(X\)の導き、\[X=x+\frac{1}{x}\]を計算して、\(x\)を求める
なんでこれを置換するのか?それは実際に計算してみたら分かると思います。例題の所でやってみてください。
- 奇数の時(奇数を\(2n+1\)と表す)
- \(x+1\)でくくる(⇔\(x=-1\)で因数定理を行う)
- ここからは偶数の時と同じ解法
これより、奇数の相反方程式は、必ず\(x=-1\)で因数定理を用いることが出来ることが分かりますね。
この証明は、因数定理を用いた後は偶数の場合と変わらないので省略させてもらいます。
例題
\[x^4+4x^3+6x^2+4x+1=0の解を求めよ。\]
【解法】
まず\(x^2\)で両辺割ります。つまり\[x^2+4x+6+\frac{4}{x}+\frac{1}{x^2}=0\]という式に変換できます。この式、共通な数字でくくるなりしてみると、
\[(x^2+\frac{1}{x^2})+4(x+\frac{1}{x})+6=0\]と表せます。
\[s=x+\frac{1}{x}\]を用いましょう。今回2乗もあるので、その式も作ると、\[x^2+\frac{1}{x^2}=s^2-2\]と変えられますね。これを代入してみると、
\[s^2-2+4s+6=s^2+4s+4=0\]
この解は\(s=-2とすぐに出ます。\)
これを計算してみましょう。すると、\[x^2+2x+1=0 , (x+1)^2=0\]
つまり今回の問題の解は、\[x=-1\]ということが分かりましたね。
実は今回の問題、有名な式を選びました。
\[x^4+4x^3+6x^2+4x+1=(x+1)^4\]の変形が可能な式ですね。気づけばとても速いですが、こういう問題もあの置換を用いればこのように解くことが出来ます。
ちょっと応用的な話
今回、\[s=x+\frac{1}{x}\]で置換することを話してました。ここで1つ疑問があると思います。
この\(s\)の取りうる範囲は?
なぜすぐに高次方程式に置換してよいのでしょうか。それは高次方程式の特性に原因があります。
高次方程式とは通常、虚数解も認められています。今回は例として\[x^3+2x^2+2x+1=0\]という3次関数を考えてみましょう。せっかくですし今回紹介した相反方程式の特徴を用いて計算してみます。
まず最高次数が奇数なので\(x+1\)で因数定理を行います。これより今回の問題の式は、\[x^3+2x^2+2x+1=(x+1)(x^2+x+1)\]となります。後ろの\(x^2+x+1\)は最高次数が偶数なので、あの置換を出来るように進めていきましょう。
まずは\(x\)で割ります。すると、
\[x+1+\frac{1}{x}=0\]となります。ここに\[s=x+\frac{1}{x}\]を代入すると、
\[s+1=0 , s=-1\]となります。つまりこれより\[x+\frac{1}{x}=-1 となり、 x^2+x+1=0\]の式に戻りました。2次ではこの恩恵があまり分かりませんでしたが、4次、6次となっていくにつれて知っててよかった!ってなります。
つまり今回の3次方程式の解は、\[x=-1 , \frac{-1\pm\sqrt{3i}}{2}\]となります。
これを実数解のみを許すとしましょう。答えを見ればすぐわかりますが、置換で用いた式、つまり\[s=x+\frac{1}{x}\]の実数解をもつ条件を考えてみましょう。これは微分して図示をすることが一番有効だと思いまっす。すると\(s \geq 2\)であることが分かるはずです。
つまり、もし仮に
高次方程式の実数解を求めろと言われた場合、
\[s=x+\frac{1}{x}かつs \geq 2\]という条件が必要になってきますね。
この話はちょっとした余談でした。
この置換の使い方を知ってもらえれば、今回は嬉しいです!
学び舎栄智は主に筑波大生で運営しているオンライン学習塾です。受験のことで何かわからないことがありましたら、連絡してきてください!きっと求めている答えが来ると思います。
AC、推薦、前期、後期入試で気になっていることでも大丈夫です。聞きたいことがあれば下のtwitterアカウントまで!