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【01】大学で役に立つ今週の積分~解答~

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みなさんこんにちは。

これは前回の記事の続きです!

 

 

 

解答をのせていきたいと思います!

 昨日の記事も載せておくので、まだ見てない人はご覧ください!

manabiya-eichi07.hatenablog.com

 

 

 

まず問題を確認しておきましょう。

 

 【問題】

\[\lim_{n \to \infty}\sum_{k=1}^{n} \left( \frac{ 4(-1)^{k} \sqrt{2nk-k^2}-4k-2 }{ (2k+1) \sqrt{2nk-k^2} } \right)\]

極限値を求めてみてください。

 

 

極限なのになんで積分なのか?まぁあれですよね、「区分求積法」っていうやつです。

それをする部分もあります。見つけてみてね。

とりあえずやってみましょう!

 

 

\[\lim_{n \to \infty}\sum_{k=1}^{n} \left( \frac{ 4(-1)^{k} \sqrt{2nk-k^2}-4k-2 }{ (2k+1) \sqrt{2nk-k^2} } \right)=\lim_{n \to \infty}\sum_{k=1}^{n} \left( 4\frac{(-1)^k}{2k+1}-2\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}} \right)\]

\[=\lim_{n\to\infty}4\sum_{k=1}^{n} \frac{(-1)^k}{2k+1}-\lim_{n\to\infty}2\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}}\]

 

 のようになります。それぞれを分けて計算していきましょう。まずは\[\lim_{n\to\infty}4\sum_{k=1}^{n} \frac{(-1)^k}{2k+1}\]を計算していきましょう。

 

\[\lim_{n\to\infty}4\sum_{k=1}^{n} \frac{(-1)^k}{2k+1}=4\sum_{k=1}^{\infty}\frac{(-1)^k}{2k+1}\]

 

これはライプニッツ級数に似てますね。今回違うのは0から始まるか、1から始まるかだけです。計算してみましょう。今回は一度ライプニッツ級数とは何か考えれてからやれば、わかりやすいと思います。では今からライプニッツ級数を求めてみます。

 

 

積分結果が\[1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-…\]

となるようになるように関数\(f_n (x)\)を置いてみましょう。\[f_n (x)=1-x^2+x^4-x^6+...   (初項1、公比-x^2 (0 \leq x<1)\]

今回公比が|公比|<1となるので、

\[1-x^2+x^4-x^6+....=\frac{1}{1-(-x^2)}=\frac{1}{1+x^2}\]とかけます。

0から1で積分すると、上の式は、

\[\int _{0}^{1} (1-x^2+x^4-x^6+....)dx=\int_{0}^{1}\frac{1}{1+x^2}dx\]

 

この左辺は、\[\int _{0}^{1} (1-x^2+x^4-x^6+....)dx=\left[x-\frac{x^3}{3}+\frac{x^5}{5}-\frac{x^7}{7}+.....\right]^1_0\]

\[=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}+.....\]

となります。次に右辺を計算していきましょう!

 

\[\int_{0}^{1} \frac{1}{1+x^2}dx\]

ここで、\(x=\tan\theta \)と置きましょう。そうすると\[dx=\frac{1}{\cos^2 \theta}d\theta\]となり、\[x:0\rightarrow1は、\theta:0\rightarrow\frac{\pi}{4}\]となりますね。

 これより、

\[\int_{0}^{1}\frac{1}{1+x^2}dx=\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{1+\tan^2 \theta}\frac{d\theta}{\cos^2 \theta}=\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}d\theta=\frac{\pi}{4}\]

となります。これより、

\[\sum_{k=0}^{\infty}\frac{(-1)^k}{2k+1}=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}+\frac{1}{9}-....=\frac{\pi}{4}\]

となることが言えましたね。今回\(k=1\)から始まっているので、1だけ多いです。よって 

\[4\sum_{k=1}^{\infty}\frac{(-1)^k}{2k+1}=\pi-4\]

となりますね。

 

 

次に\[\lim_{n\to\infty}2\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}}=2\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}}\]の計算をしていきましょう。

 

 

\[2\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}}=2\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{n}\frac{1}{\sqrt{2\frac{k}{n}-\left(\frac{k}{n}\right)^2}}\]

\[=2\int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2x-x^2}}dx   \left( \frac{k}{n}=xより\right)\]

きましたね区分求積法。ここまで出来れば、あとは積分するのみです。と言っても無理関数の積分。どうやってやりましょうか。ルートの中身を2乗-2乗の形にして、三角関数に置換する方法でやってみましょうか。

 

 

\[2\int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2x-x^2}}dx=2\int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{1-(x-1)^2}}dx\]

\[(2x-x^2=1-1+2x-x^2=1-(x-1)^2より)\]

ここで、\(x-1=\sin\theta (-\frac{\pi}{2}\leq 0 \leq 0)\)と置くと、

\[dx=\cos\theta d\theta  x:0\rightarrow1      \theta:-\frac{\pi}{2}\rightarrow 0\]となるので、置換すると、

\[2\int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{1-(x-1)^2}}dx=2\int_{-\frac{\pi}{2}}^{0}\frac{1}{\sqrt{1-\sin^2 \theta}}\cos\theta d\theta=2\int_{-\frac{\pi}{2}}^{0}\frac{1}{\cos\theta}d\cos\theta=2\int_{-\frac{\pi}{2}}^{0}d\theta=\pi\]

となります。

 

 

これより、

\[\lim_{n\to\infty}4\sum_{k=1}^{n} \frac{(-1)^k}{2k+1}-\lim_{n\to\infty}2\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}}=\pi -4-\pi=-4\]

 

 

となります。とってもきれいですよね!!

 

実は最初、kは0からとして問題を作ろうとしていたのですが、間違えて作ってしまいました。すいません。

 

今回仮に\(k=0\)から作れば、ライプニッツ級数の方は、示した通り,\[\sum_{k=0}^{\infty}\frac{(-1)^k}{2k+1}=\pi\]

となります。そして次の積分、\[\sum_{k=0}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}}\]は、\(k=0\)の時を考えると、0となり、

\[\sum_{k=0}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}}=\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{2nk-k^2}}\]

 が言えるのです。本当はこれを使って、\(\pi-\pi=0\)を考えてましたが、区間を間違えていました。すいません!!

 

 

 

次の問題はこれと同じくらいか、みんなが手に取りやすいくらいの難易度にしたいと思います。良かったら解いてみてください!

ではまた次回!

 

 

 

 

 

 

 

 

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